販売担当(2015年入社)

Interview

販売担当(2015年入社)

難しいこともあるけど、でも、難しいからこそ、勉強する。

販売担当(2015年入社)
担当者歴7年目(2024年現在)
主にナス、ピーマンを販売。また、筍・梅など季節の商材、フルーツの販売も行っている。

Q1:入社の経緯を教えてください

元々アルバイトから、正社員になりました。
特別野菜に興味があるわけではなかったのですが、野球で北海道に行って、こっちに戻ってきて、何か仕事を始めなきゃと思い、求人冊子で、最初に掲載されていた丸杉に電話しました。

Q2:ネコ引きの時(注1)は、何の商材を取り扱っていましたか?
また、その時、学んだことは何ですか?

注1:ネコ引き
販売担当者を補助する人のこと。市場でかつて『ネコ』と呼ばれる手押し車を使って荷物を運んでいたことが所以。)

ネコ引き時代は、販売担当者の下でナス、レタスやブロッコリーなどの洋菜、生姜を扱っていました。
最初は、場内の配達場所と配達時間から覚えて行きました。自分の場合、教えてもらった仕事は、ほとんどが配達場所とか荷揚げでした。あとは『自分の思った通りやって下さい。あとの責任は持ちます』という感じで、販売担当者の先輩がバックアップしてくれて、ずっとのびのびとやらせてもらいました。のびのびという表現はおかしいかも知れないけれど、マニュアルで動くと、 ああしないといけない、こうしないといけない、あれやらなきゃ、これやらなきゃいけないという風に柔軟な対応が出来なくなってしまうから。
自分で考えながら行動していたからこそ、場内の配送や客対応のスケジュール(時間配分)の組み方も効率をよくできるようになったんだと思う。
自分の中の対応力や応用力が鍛えられて、今、活かせていると思っています。

Q3:なぜ販売担当者を目指そうと思ったのですか?

自分の中で担当者の方が輝いて見えた。どうせ市場で働いているなら、商品を扱っているなら、自分でも商売をしてみたいと思っていました。
入社当時は来場者も多く市場の活気がすごかった。売り子(販売担当者)さんたちも勢いがあった。今は前注文で売るスタイルにシフトして来ているので、現場での商売はほんの一部になりました。
今思うと、当時のお客さんと担当者の相対がすごく自分にとって魅力的だった。

Q4:1日の仕事の流れを教えてください

販売担当はこんな感じですね。

午前3時

出勤
追加注文等を確認後、現場に下りて相対取引の準備を行う。

~午前8時頃

相対取引
売場に来るお客様と相対で取引を行い、注文を取り所定の用紙に記録する。

午前8時~

現場片付け
現場ごとに全員で売場の片づけを行う。

午前9時~

販売伝票の作成
当日の販売実績を市場システム用の伝票に転記する。 翌日分仕入れの発注

午前11時~

相場の変動、販売予定数などの情報を踏まえ、翌日の仕入れを決定し発注する。

正午12時

退勤

Q5:仕入れのポリシー、気をつけている事はなんですか?

仕入れの仕方に関しては、他の担当者と多分真逆。薄利多売です。
産地が困っているものは、量も度外視で極力買ってあげたいと思っています。

Q6:仕入先への注文の仕方はどのようにしていますか?

LINEや電話で相手が困っていることを聞いて注文している。自分は他の担当者と比べて年数が浅いので、まずは信頼関係を作ることを優先しています。
こちらの要望だけを通すと一方通行になってします。信頼関係を作るには、まずは積極的に話を聴いて力になれるように行動する。そうすれば、自分が困った時に協力してもらえる関係性が構築できると思っているので実践しています。
常にどうすれば仕入先との良い関係性を作って行けるのか?考えて行動しています。
だから、まずは産地が困っていたり、荷受けさん(野菜の卸会社)が困っている品物を助けてあげるところからやっていますね。

Q7:担当者ってそういうふうにスタートしていくものなんですね。

すでに関係性ができていればすごく仕事がしやすいと思います。
でも、丸杉の担当者が代わった時に、その仕入先の人は 、前任者と同じように良い付き合いをしてくれるかは未知数だから、担当者としては一からのスタートになる。まずは仕入先である荷受けさん(野菜の卸会社)との関係づくりが一番大切だと思います。

Q8:お客さんとの関係作りはどうですか?

仕入れの場合は、その時困っているものを助けて関係性を作っていくから、 お客さんにはその逆で、困っているものを聞いて、それを集荷する。そこから助けていければ関係性が構築できると考えています。

Q9:お客さんとコミュニケーションを取るのにどうしていますか?

取引先の店舗に行くと、あまり綺麗じゃない品物とかがある。
それを自分の目で見て、『最近、困っていませんか?』っていう話をして、困っている状況が分かれば、たとえ自分の商材じゃなくても話を聴いて、その商材の担当者に繋ぐ。そうすれば継続した取引も生まれる。
自分自身で探せる品物だったら、自分で探して出荷しちゃう時もあります。

Q10:人一倍店回りを多くしているイメージがありますが、
理由はなんでしょうか?

店回りをするのは、店回りが好きっていうのと、あとやっぱり情報収集が理由ですね。
それと、自分より上の担当者たちが抜けた時にお店回りや会食とか、誰もできないのはダメだよなという危機感があるから、今のうちにやっておこうと思っています。お店回りに一人で行けば、やっぱり喋らなきゃいけないし、相手の立場に立って考えなきゃいけない。そういうことって場数を踏まなきゃできないと思っているので。
唐突に行って話をしようと思っても、最初は、(自分も)できなかったから。それならどんどんお店に顔を出して、場数を踏んで、慣れて、関係性を築こうと思っています。

Q11:販売担当の仕事でどんな時に面白さを感じますか?

担当者ってすごく明るい方もいるし、自分みたいに寡黙で、あまり喋らない人もいる。担当者は、大体みんなすごく孤独だと思います。自分自身も、面白さっていうより多くは、毎日来て、プレッシャーと戦かっているという感じが大きいです。
その中で面白さっていうと、毎日お客さんの表情や声が違うとか、そういう変化があることだと思います。

Q12:言える範囲でいいのですが、失敗したことはありますか?

ターレーを車にぶつけた事。過剰仕入れ。あとは、お客さんの求めているものや、もがきもの(注2)を揃えられずに2軒ほど取引を切られた経験があること。
でも、それがあるから今、店回りをしているのかもしれない。取引を切られたことが、自分の中では大きな失敗だったと反省している。その2軒のお客さんとは関係性が全然築けていなかったから、簡単に切られちゃったと思っていて、 もっと自分との間にしっかりとした関係性があったなら、切られていなかったかなと思う。だから一生懸命にお店回りをしているのだと思います。

(注2:もがきもの
出荷量が少なく、品薄状態のもの)

Q13:この業界に入って不思議だと思ったところはありますか?

不思議だと思ったところは、まだ多くが紙媒体で受発注していること。
入った時からそうだったから、(この業界は)これが普通なんだなと思っていたけれど。でも周りを見渡すと結構ね、パソコンでできることがある。
これから入ってくる人には、「まだこんなことやっているのか」と思われるかもしれない。でもそこは逆の発想で、若い子が入ってくれば、もっと会社自体も今の時代に合わせて変化していくと思います。

Q14:お休みの日や仕事後は何をしていますか? 夜中に働いている人の過ごし方って気になります。

仕事後の平日昼間はお店に行っても空いているから、メリットはいっぱいあるように感じます。
休日は何をしているだろう。 休暇ですね。体を休める。
それと、趣味ではないけれど、ゴルフをやっていますね。

Q15:仕事をする上で、モチベーションになっているものってなんですか?

自分の場合は使命感でしょうか。5年後、10年後のことを、すごく考えています。その間に今の役職者たちが抜けたら、 その後、自分たちの会社ってどうなっているのかなっていう不安感の方が強いです。そうなった時のために、 今できることをやっておかないと。自分自身ができることを1個ずつクリアして成長していけばいいのかなとは思いますね。
自分の場合、今はそれがお店回りだと思っている。お店回りをして、あとは会食の機会があれば、極力ついていくようにしている。
営業で特に勉強になるのが本部長さんと部長の二人。盛り上げ方とかすごい。
会食に連れて行ってもらったけど、ふたりのコミュニケーションの取り方は全然違う。
本部長は本当に相手の懐に入ってがっちり掴んで、義理人情みたいな感じで。
部長の方はもう本当に陽気に、相手を盛り上げてね。

Q16:この仕事を始めて変化した習慣はありますか。

寝る時間。
それと、スーパーに行ったら野菜を見るようになりました。 品質を見たり、棚を見て自分だったらどうするだろうって想像したりするようになりましたね。お店の人にプレゼンしたい、提案したいなって気持ちになります。

Q17:今後の目標を教えて下さい。

とりあえず一人前の販売担当者になる。

Q18:一人前の販売担当者とは、どういう人だと思いますか?

その野菜の知識を多く持っている人が一番強い販売担当なんじゃないかなとは思っている。
これが、本当の担当者じゃないのかなと思います。

Q19:野菜そのものの知識以外にも、輸送であったり、出始め、端境期のような時期の話題であったり、野菜には幅広い分野の情報がありますよね。

やっぱり商売する上で情報を知っていないと恥ずかしい。自分もナスのことを聞かれて答えられない時があるだけど、すごく恥ずかしいから勉強する。難しいこともあるけど、でも、難しいからこそ、勉強する。仕事に対する、責任感でしょうか。
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